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墨が紙に触れ、筆が走る。
そこに生まれる線は、同じ手で書いたとしても、二度と同じ形にはなりません。
深く沈むような黒。
呼吸の揺らぎを残した淡いにじみ。
紙との摩擦によって現れる、かすれ。
そして、描かれていない余白。
一筆の中には、言葉だけでは説明できない時間があります。
私たちは、その瞬間に生まれた痕跡を、現代の空間へ届けたいと考えました。
このたび、日本の伝統的な書を起点に、現代的な抽象表現を探求するアートプロジェクト「白暉-Hakurei」を始動します。
日本の書を、いまの空間へ
書は、文字を書くためだけのものではありません。
筆を入れる直前の静けさ。
迷いなく引かれた線の強さ。
思いがけず生まれたにじみ。
あえて何も描かずに残した余白。
作品の前に立つと、文字を読むよりも先に、何かを感じることがあります。
張り詰めた空気。
流れる水のような動き。
風が通り抜けた後の気配。
遠い記憶に触れるような感覚。
Hakureiが目指しているのは、伝統的な書をそのまま表現することでも、
単に現代風にアレンジすることでもありません。
書が本来持っている人の感情や精神性を見つめ直し、現代アートとして、現代の空間に解き放つことです。
ホテルや旅館のロビー。
企業のエントランスや社長室。
店舗の壁面。
住宅の中で、静かに自分と向き合う場所。
言葉を並べなくても、その空間が大切にしている思想や美意識が伝わる。
そのような存在として、作品を届けたいと考えています。
書家とデザイナー、それぞれの視点から
Hakureiの作品は、書家・園部白麗と、空間デザイナー・高野峻太朗の協働から生まれます。
園部白麗は、35年以上にわたり書と向き合い続けてきました。
一筆の中に宿る繊細さと力強さ。
筆圧、速度、呼吸。
長い研鑽によって磨かれた感覚と豊かな感性が、作品の核になります。
高野峻太朗はブランディング、空間デザインに携わる中で、書を単なる装飾ではなく、
人の心を動かす表現として捉えてきました。
書の技術だけでも、デザインの視点だけでも生まれないもの。
伝統に深く根を張りながら、現代の暮らしや空間と響き合う表現と素材への探求。
そして光への好奇心。
その可能性を探るために、Hakureiは始まりました。

紙の上だけに閉じ込めない
Hakureiの表現は、紙の上だけで完結するものではありません。
和紙の柔らかな透過性。
木が持つぬくもり。
金属の冷たさと重厚感。
石の静かな存在感。
光によって生まれる陰影。
同じ筆致であっても、素材が変われば、作品の表情も大きく変わります。
金属に刻まれた線は、瞬間的な筆の動きを、長い時間に耐える痕跡へと変えます。
柔らかな光を透過する和紙は、墨の濃淡に奥行きを与え、作品そのものが、
静かに呼吸しているような表情を見せます。
朝の光と、夜の照明でも印象は変わります。
私たちがつくりたいのは、額縁の中で完結する作品だけではありません。
建築、素材、光、季節、そこを訪れる人の記憶。
さまざまな要素と関わり合いながら、時間とともに深まっていく作品です。


想いを、一筆に宿す
Hakureiでは、既存作品の制作・販売に加えて、空間や想いに合わせたオーダーメイド作品のご相談も承ります。
企業が大切にしている理念。
宿泊施設が受け継いできた土地の記憶。
店舗の屋号に込めた覚悟。
人生の節目に残したい感情。
まだ、うまく言葉にできていない感覚。
対話を重ねながら、その奥にある本質を掬い上げ、作品へと昇華します。
アートは、空間を飾るためだけのものではありません。
そこにあるだけで、場の空気を変える。
言葉では伝えきれないものを、静かに残す。
ふと視線を向けるたびに、見る人の中に新しい感覚を生む。
私たちは、そのような作品を届けたいと考えています。
書に宿る時間と美を、現代の空間へ。
そして、日本から世界へ。
白暉-Hakureiの歩みを、ここから始めます。